4月より指定野菜に。注目の裏にある畑の苦悩
〜沃土会(埼玉県)〜
いよいよ2026年4月、ブロッコリーが「指定野菜」に加わります。 指定野菜とは、消費量が多く国民生活に欠かせないとして国が定めた品目のこと。新たに登録されるのは1974年のばれいしょ(じゃがいも)以来、実に半世紀ぶりの出来事です。
「国民的人気野菜」として報じられるその裏側で、日々土に触れる生産者たちは今この瞬間も、自然の厳しさと静かに向き合っています。
豊作という名の「試練」
今春ブロッコリー農家を襲ったのは、皮肉にも「大豊作」という試練でした。3月上旬、埼玉県・沃土会の事務局を務める小野塚さんから、切実な連絡が入りました。
「今、畑には収穫されることなく、そのまま『肥やし』にするしかないブロッコリーがあふれています」
1~2月に収穫予定だったブロッコリーが寒さや記録的な小雨で生育が遅れ3月にずれこみ、本来の収穫分と重なり、計画の倍以上のブロッコリーが畑を埋め尽くしてしまったのです。行き場を失った立派なブロッコリー。このままトラクターで土にすき込むしかありません。
大きく育った春ブロッコリー
「せっかく農薬や化学肥料を控え、土づくりなどこだわって育てたブロッコリー。しかし収穫することができず土に還すしかない。こういう場面は多々あります。」
自然を相手に、計画通りいかないのが農業
今年3月上旬、ブロッコリーの出荷量が全国的に増え市場価格が大きく下がりました。「出荷すればするほど赤字になる」と嘆く声も聞こえたといいます。
らでぃっしゅぼーやの契約生産者は市場価格に左右されない仕組みに守られてはいるものの、計画通りに収穫・お届けできなければ、そのまま収入の減少に直結します。何万株という立派なブロッコリーが、誰の口にも届くことなくトラクターで潰され土に還っていく。手塩にかけて育てた作物を自らの手で葬る、農業の厳しさがそこにあります。
出荷を阻むわずか一か所の「黒点」
ブロッコリー栽培は、私たちが想像する以上にデリケート。「夏の暑さ、春の気候の不安定さ、冬の寒さ、どの季節も違った難しさがあります」と話してくれたのは、沃土会のブロッコリー生産者の1人である矢内さん。
沃土会のブロッコリー生産者、矢内さん
1月の凍てつく寒さに当たると、ブロッコリーの表面には火傷(凍霜害)のような白い跡が残ります。もちろん出荷できません。また昨年5月には「黒すす病」の被害で5万株もの出荷を断念しました。風が吹かない日が続き湿度が高まったことが原因です。
たとえ一か所でも小さな黒い点があれば、流通の過程で広がってしまうため規格外となります。私たちが手にするのは、数々の試練をくぐりぬけたブロッコリーなのです。
黒すす病により、黒ずんだつぼみ。小さな1カ所でも流通中に広がってしまうため出荷できなくなります
「本当の旬」を、一番おいしい食べ方で
「通年見かけるブロッコリーですが、旬があることを知ってほしい」と話す矢内さん。
沃土会では11月から5月まで出荷を行っていますが、今の季節(春)は、冬の寒さを乗り越えて甘みを蓄えた、コリっと食感の良いブロッコリーが楽しめます。
さっとゆでて塩だけでおいしく召し上がっていただけますが、お子さんに好評とおすすめされたのは「素揚げブロッコリー」。170℃の油で3分ほど素揚げするだけ!子供たちがペロリと平らげるそうです。
そしてさらにおすすめなのが「ブロッコリー炊き込みご飯」!白米を炊くのと一緒にブロッコリーを丸ごと投入。炊きあがったら混ぜ込むだけ。塩やバター、ベーコンなどで塩味を足せばブロッコリーの甘みがさらに引き立ちます。
米2合にブロッコリー1個。ブロッコリーから水分がでるため、通常より水を大さじ1~2程度少なめに炊きます
炊きあがったらご飯と混ぜ込み…
完成!ベーコンやバターを加えても
自信があるからこその、おすすめメニュー
矢内さんのおすすめメニューは「ゆでて塩」「素揚げ」「ブロッコリーご飯」…どれをとっても、ブロッコリー自体の味がおいしいからこそおすすめできる、とてもシンプルな味つけのメニューばかり!
「旬の春ブロッコリー、ぜひたくさん楽しんでください」とお客さまへのメッセージをいただきました。
■沃土会公式インスタグラムのご紹介
沃土会の栽培へのこだわりや、それぞれの生産者の想い、日々の畑の様子が配信されています。矢内さんのインタビュー記事もありますので、ぜひご覧ください。
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