タネから始まるおいしい未来
~タキイ種苗(滋賀県)~
12月に入り寒さと慌ただしさが増す時期、私たち農産部も年末年始に向けて大忙しです。今は、全国の生産者と来夏にお届けする野菜・果物の栽培計画を練る大事な時期。昨年の振り返りをもとに、数量や新しい取り組みを品目ごとに検討します。特に新しい取り組みを始めるための情報収集は欠かせません。
タネの技術で生産者を支える
その一環として、滋賀県のタキイ種苗株式会社の研究農場を訪問しました。
タキイ種苗の研究農場
創業90年の老舗で、日本三大種苗メーカーの一つ。トマト「桃太郎シリーズ」や人参「向陽二号」などの名品種を生み出してきました。
今年40周年を迎えた名品種「桃太郎シリーズ」の紹介パネル
らでぃっしゅぼーやが直接的に関わる機会は少ない種屋さんですが、日本の種苗メーカーは国際的にも評価の高い技術を持ち、日本の気候風土に合わせた育種と専門的な知識で生産者を支えています。
多様な生産者のニーズに対応する品種を開発
今年も夏の暑さは異常で、強い日差しに高温が重なりミディトマトのヘタ周りが黄色く変色する“黄変果(おうへんか)”に悩む生産者が多くいました。
そんな相談をしたところ、人気品種「フルティカ」が進化した新品種を紹介してもらいました。耐暑性が強く、味もよい期待の品種で、来年の栽培計画にぜひ取り入れたいと思いました。
紹介いただいたフルティカの新品種
おいしくて、からだに”いいわけ”ができる野菜
さらに、近年注目されている「ファイトリッチ」シリーズについても伺いました。
リコピンやカロテンなどの機能性成分をより多く含む「おいしくて体にうれしい野菜」シリーズで、現在23品種を展開しています。野菜本来の色に注目し、約25年もの研究から生まれた品種群です。
前段に登場したフルティカもその1種。抗酸化作用をもつリコピンを多く含み、コクとうまみのある味のよさから生産者にも支持されている品種です。
ファイトリッチシリーズで人気のフルティカ
ファイトリッチシリーズの研究開発について、担当の渋谷さんに話を伺いました。「摂取する野菜の量は同じでも、体によい成分を多く含む野菜はできないか」との発想から、30年以上前に小さなチームで研究をスタート。
「毎日食べる野菜だからこそ、おいしさも妥協したくない」という信念のもと、
「おいしくて、からだに”いいわけ”ができる野菜」をコンセプトに品種開発を続けています。
「忙しい日でも『ファイトリッチを食べているからまあいいか!』とポジティブな“いいわけ”ができる野菜を目指しています」と話してくれました。
らでぃっしゅぼーやで販売予定のファイトリッチシリーズ「肉厚ほうれん草・弁天丸」はルテインが通常のほうれん草の1.5倍(2026年1月3週号で登場予定)
持続可能でおいしい未来へ
開発担当の渋谷さんをはじめ、ファイトリッチ販促の監修をされている山崎さん、育種の専門家であるブリーダーのみなさんが種の世界を語る様子は、さながら野菜を語る生産者のように輝いて見えました。
ファイトリッチの販促担当、開発部の山崎さん
私たちは単に野菜を”買い付ける”のではなく、地域の環境や土、種まで考えた持続可能な”取り組み”として「めぐる野菜箱」をお届けしたいと考えています。
そのためには、野菜が育つ土や種の理解を深め、未来に残していくことを考えて契約栽培を進めることが大切です。今回あらためて、種の世界の奥深さを実感し、とても学びの多い時間となりました。
さっそく、各地の生産者の元に走り、おいしい未来への作戦会議を始めたいと思います。年末の忙しさにドタバタとワクワクの毎日です。
タキイ種苗のファイトリッチシリーズについて詳しく見る
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