深刻化する、りんご産地の熊被害
~津軽産直組合(青森県)~
アップルベアに苦しむりんご産地
青森県のりんご生産者、津軽産直組合は、日々のりんご生産の様子をインスタグラムで発信しています。大雪、雹、酷暑といった気候変動への対応に苦労されている様子がうかがえますが、最近多く投稿されているのが、現在連日ニュースで取り上げられている熊の被害です。
津軽産直組合のインスタグラムを発信されている、斉藤さんにお話を聞きました。
お話を伺った津軽産直組合の斉藤さん。組合代表を務めながら、自身もりんご園を経営
『毎日りんごを食べられ、樹は既に30本ほど折られています。りんごの味を覚えた熊はアップルベアとよばれ、りんごしか食べなくなるそうです。
熊を捕獲するための檻が不足していることに加え、広大な園地のため、逃げ場を確保するのに苦慮しています。』
爪跡が残るりんごの樹。マーキングした熊が戻ってくる可能性があるため伐採するしかなくなります。1本分の収穫が丸々失われてしまいます
斉藤さんが遭遇し撮影した熊(遠距離から撮影しています)
檻や車両を自費で購入
『津軽産直組合全体では既に10頭の熊が罠にかかっています。なかには体重80kgほどの熊もいました。近隣地域全体では、100頭にも及ぶと聞きます。
自治体にも相談はしていますが、捕獲用の檻と専門のハンターが圧倒的に不足しており、檻も自分たちで探し自費で調達しているのが現状です。』
熊に折られたりんごの樹
りんご園地は広く、突然熊に遭遇しても逃げる手段、逃げる場所がありません。熊が出る時間帯は園にいかないようにするなど、作業時間も限られてしまうそうです。
『怖くて、夕方になると従業員が一斉に帰宅してしまいます。結果として、安全にりんごを作ることができない状態が続き、現在は非常に苦戦しています。』
斉藤さんは、安全に園地を見回るために、緊急時に逃走する対策として中古のバギーを購入
現在被害が集中している品種は『きおう』ですが、主力品種である『ふじ』も、完熟期に入れば被害に遭う可能性が高いと懸念しています。
鳥の獣害も深刻で、毎日かじられる被害により収穫量にも影響が出ています
りんごは獣害だけではなく、酷暑など気候変動の影響で見た目が悪くなったり、サイズが小さめだったりと、産地では次々に発生する苦難に悩みが尽きません。
産地で文字通り「命がけ」で守られ収穫されたりんごを、一つでも多く、お客様においしい状態でお届けできるよう、らでぃっしゅぼーやとしても支援、協力してまいります。
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