らでぃっしゅぼーや

今週の畑だより

らでぃっしゅぼーや農産担当による
畑の"今"を届ける産地密着コラム

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今年も波乱。梅のお届けなんとか完了

先週をもって、ご注文いただいたすべての梅のお届けが終わりました。年明けの梅の開花から始まり目まぐるしく状況は変わり、結果としては2年連続の大不作。

雹害、生育の遅れなど困難が続くなか、なんとか欠品せずにお届けできたことにほっとしています。

開花と期待、そして雹害の打撃
九州では開花が早かった一方、メイン産地の三重・奈良・和歌山など紀伊半島では昨年より2週間から1か月遅れました。

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奈良県萩本農園の梅の花。例年よりも遅めの開花でした

開花が早まることによる不作リスクは回避できたように見え、特に和歌山では開花から着果の具合が良好で「豊作かも!?」と色めき立つほどでした。

しかし4月上旬に和歌山南部を襲った雹害により、田辺市やみなべ町などの最大産地では半数以上の畑が落果や傷で甚大な被害を受けました。

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雹で傷がつきカサブタとなった梅

被害総額は47億円にも及ぶと報道され、奈良や三重の一部も含め、日本一の梅産地は大打撃。今年の梅はほぼ絶望的との見通しも出るなか、状況把握に奔走しました。

唯一の希望、奈良・五條産の「白加賀」
そんななかで唯一、奈良・五條市付近の生産者からは「けっこう実付きがよさそう」との前向きな情報が!

現地で確認すると、梅酒で人気の「白加賀」が確かに豊作傾向!その後も順調に収穫することができ、梅ジュースや梅酒用梅の大部分をカバーしてくれました。

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白加賀を出荷してくれた奈良産直センターの中井さん

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奈良県・王隠堂の西北さんは、小梅、白加賀、南高と収穫が大変だったというくらい豊でした

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枝にびっしりと並ぶ西北さんの梅

その後は梅干用の「南高」の不作や奈良産地の色づきの遅れなどで、かなりお待たせしたお客さまもいらっしゃいましたが、なんとか全てお届け完了できました。

品質面の課題「陥没症」
一方で今年は、梅の表面がへこみ黒く変色してしまう「陥没症」が多発しました。検品時には問題無くても、その数日後に発症することもありご迷惑をおかけしました。

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今年多発した「陥没症」。きれいな見た目を確認した数日後に出ることもあり、検品が難しい症状でした

原因は明確には分かっていませんが、特に今年多くお届けできた「白加賀」に出やすく、樹の乾燥や高温、若採りが影響している可能性があります。産地と今後の対策を強化していきます。

大切な食文化を守るために

一筋縄ではいかない梅ですが、「季節の梅しごと」は日本人にとって大切な食文化。2年連続の大被害となりましたが、来年こそは豊作をと、生産者も前を向いています。

高温・乾燥や開花・受粉対策、老木の更新、新品種の開発・選定などやることは山積みですが、今後も継続してお届けできるよう試行錯誤していきたいと思います。

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梅しごとは楽しんでいただけましたでしょうか?ぜひその後のご感想などお寄せいただけましたら、生産者の励みになります。

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