おいしいりんごとお米の舞台裏
~アップルファームさみず(長野県)~
6月中旬、らでぃっしゅぼーやのりんご産地としておなじみの長野県アップルファームさみずを訪問しました。
ジメジメとした雨の東京から避暑地に向かう気分で出発したものの、現地は今年初の猛暑日を記録。淡い期待は見事に打ち砕かれました。
8月の出荷に向け、りんごの摘果作業中
産地では、りんごの「摘果(てきか)」の真っ最中。果実の品質と大きさを調整するため、葉と果実の割合を意識しながら不要な果実を間引いていきます。

りんごは1か所に5~6つの花が咲き、実になります

実の状態をみながら最終的に1つだけ残します。基本的には中心にある「中心果」を残しますが、状態がよくない場合は「側果」を残すことも

サビのような見た目の「サビ果」を摘果。気象条件や病害などを理由に発生します

この機械に乗り、高いところにあるりんごの摘果や収穫をします
大切な作業ですが、今後もこの猛暑のなかこの摘果作業が続いていくことに不安も覚えました。
長野のりんごは8月から2月、青森は4月ごろまで出荷されます。常にスーパーに並んでいるイメージのりんごですが、それ以降の夏までは特別な冷蔵庫で保管する貯蔵の技術に支えられています。
8月から出荷される今年のりんごが待ち遠しいですね。
小さな田んぼが支えるおいしいお米
実はアップルファームさみずではお米も栽培しています。
山間地のため田んぼ1枚ごとの面積は小さく10a(1,000㎡)が基本。例えば1枚300aほどの田んぼもある北海道と同じ規模で栽培しようとすれば、同じ作業を30回も繰り返さなければなりません。

長野県はおやきが有名ですが「米作りが難しかった表れでもある」と生産者の山下さんは話します

アップルファームさみず代表の山下さん
近年は品質が安定し、2023年の猛暑で新潟産の米が苦戦した際も、長野のお米は高く評価され、日本穀物検定協会の食味ランキングでも上位に入りました。
神聖な水に育まれた“パワースポット米”
この地域で米作りが盛んになったのは、江戸時代に飯綱(いいづな)藩が、倉井用水・芋川用水・普光寺用水の3つの大きな農業用水を整備してから。
「三水(さみず)」の名前はこの用水に由来し、いずれも戸隠神社奥社前の鳥居川が源流です。

五社からなる戸隠神社の一番上にあるのが奥社

戸隠神社奥社
戸隠神社は天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)を祀る有名なパワースポット。神聖な水に育まれたお米は”パワースポット米”といってよいかもしれません。
最後に、ご利益のありそうなと戸隠神社と、山下さんのペットのヤギの様子をお届けします。癒し効果は抜群です。
田んぼの水は、パワースポット戸隠神社にある鳥居川が源流
<おまけ> 除草のために飼ってみたところ、りんごの葉も食べてしまいペットとなったヤギの親子
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