らでぃっしゅぼーや

今週の畑だより

農産担当者による産地密着コラム

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野菜作りの基本は、健康な土作り
こうみゆうき 坂巻さん夫婦(長野県)

 前代未聞の残暑が続き、この畑だよりでもほとんど毎週各地の高温、干ばつ、ゲリラ豪雨、台風影響や被害をお伝えしています。厳しい状況が続いていますが、そんななかでもちょっと元気な高原産地を訪ねました。
 9月の初旬、少しだけ暑さが一服したある日、長野県の生産者グループ、こうみゆうきの坂巻さん夫婦を訪れました。こうみゆうきは坂巻さん夫婦を中心とする、長野県南佐久郡の小海町(こうみまち)~佐久穂町(さくほまち)にかけて畑を持つグループで、そのほとんど全員が、東京など都市部からの移住者です。品目は、大根、かぶ、白菜、小松菜、ほうれん草、ケール、春菊、松本一本ねぎ、プレミアムルビー(ミニトマト)、とうもろこし、ズッキーニ、小布施丸なす、ピーマン、スナップえんどうなど多岐に渡ります。

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北八ヶ岳の麓に位置する小海町

 彼らの凄さは、基本的にほぼ全て「農薬不使用」で栽培している事です※1。なかでも坂巻さん夫妻は全品目で農薬を使用しないため、畑を作る段階からその前提で設計していきます。
 樹の枝や草、もみ殻などをベースにした炭素分の高い堆肥を主体に、微量要素※2やミネラル分も計算して入れ、フィルムを張って太陽熱消毒を行います。そうする事で地温が上がり、病害を起こす菌類や雑草の種などを抑え、土の深部から水分が上がってきて潤い、同時に団粒構造が形成されます。種が発芽し根を張るために丁度よいフカフカさと保水力、適度な排水性も併せ持ちます。

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太陽熱消毒で土作り中の、坂巻さんの畑

そのお陰か収穫中のピーマンも、干ばつ気味ではありながらもピカピカにツヤがあるよいものが獲れていました。

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 「大きめのピーマンがいっぱい獲れるが、やわらかく味は抜群なので是非食べて欲しい」と坂巻さん。かじると食感がよく、甘みが感じられるおいしさです。「健康な土により、天候や病害虫にも負けないおいしい野菜を作る。」この基本に忠実に、愛情を持って作られた野菜たちを、多くの人に味わってもらいたいと改めて思いました。

※1:一部ケールときゅうりのみBT剤という微生物殺虫剤を使用しています。
※2:微量要素とは、作物の生育に必要な栄養素のう0.01%以下のもの。微量であっても不足しても過剰でもならない重要な要素です。

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