らでぃっしゅぼーや

今週の畑だより

農産担当者による産地密着コラム

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100年続くたけのこ農家 臼杵さん
高生連(香川県)

 「ホイル焼きは最高だよ」たけのこの食べ方をおすすめしてくれたのは、高生連(香川県)のたけのこ農家の臼杵(うすき)さん。100年続くたけのこ農家の三代目で、香川県の農業指導士として地元の農業を盛り上げる活動もされています。3月中旬に訪問し、たけのこ畑をみせてもらいました。畑といっても、山の中腹に差し掛かったところにある竹林で、急な傾斜が多く足を進めるのに神経を使い、危険をともないます。しかし100年もの間きちんと手入れされてきた畑は、まるで伊勢神宮の境内に入ったような神聖な空気を纏っていて、森林浴をしているかのようでした。
 土質はたけのこにとって好条件な粘土質。砂質な土壌と比べ、大きくなりにくいですが、すらっと伸びた姿に育ちます。たけのこはポリフェノールの作用で表面が黒くなってしまう野菜ですが、表面も白く見た目もよく仕上がります。えぐみも少なく、採れたては生のまま刺身にしたり、特にバーベキューでホイル焼きで食べるのが最高だそうです。静かな口調で話す臼杵さんですが、たけのこへの愛を言葉の端々から感じることができました。

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 「竹の子」の文字通り、竹の麓にポツポツと生えてきますが、その元となる竹を「親竹」と呼びます。4月、まだ竹の子の状態で「これを親竹にするぞ」とを決め、親竹に栄養が行き渡るよう、周辺の竹を伐採するなど環境を整えます。竹は1年で3階建てくらいの高さになるほど成長が早く、繁殖力も旺盛です。選定していく作業が大変で、来年の収穫量に直結します。伐採をすることで光が入りやすくなりますが、竹の子だけでなく雑草も育ちやすくなり、除草の手間が増えてしまい臼杵さんを悩ませます。

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 収穫作業は90代のお父さんと一緒に行うそうです。たけのこへの愛情は衰えることなくまだまだお元気ですが、内心ヒヤヒヤしている臼杵さん。粘土質で滑りやすく、怪我と隣り合わせの環境で、たけのこは収穫され、お客様にお届けされます。
 めぐる野菜箱では「Lコース」を中心に4月2週から4月4週にたけのこをお届けします。単品注文も同じ期間(4月2週号から4月4週号)で扱っています。水煮のたけのこはお手軽で召し上がる機会も多いと思いますが、是非この時期ならではの採れたてをお試しください。食感や香りの違いを楽しんでいただければと思います。

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