熊本地震、被災後の再出発
~西岡養蜂園(熊本県)~
今週は畑だより『番外編』として、農産品ではなく加工品の「産地だより」をお届けします。
おいしい定期便「蜂蜜めぐり」の商品の作り手は、西岡養蜂園。地元・熊本を拠点に、北海道・青森・奄美大島を移動し、豊かな自然のなかで、さまざまな花や樹から上質な蜂蜜を採取してお届けしています。
しかし今年7月、熊本を大きな地震が襲い、西岡養蜂園も被災しました。 その後8〜9月は「蜂蜜めぐり」のお届けも休止していましたが、10月より再開することができました。今回は、厳しい状況に直面しながらも、ミツバチを守り、復興に向けて力強く歩み続けている西岡養蜂園の状況と、その想いをお伝えします。
突然訪れた大きな揺れと、目の前に広がった光景
7月28日、熊本県を激しい地震が襲いました。震源に近い八代市に拠点を置く西岡養蜂園でも、事務所や店舗、蜂蜜の加工場、倉庫などすべての施設が被災しました。
地震発生当時、代表と専務は蜂蜜の採取とミツバチの増殖で最盛期を迎えていた北海道に滞在していました。大きな不安を抱えながら、交通網が途絶える寸前でどうにか熊本へと駆けつけましたが、そこで目にしたのは言葉を失うほどの光景でした。
倉庫では蜂箱や資材が倒れ、加工場ではビン詰めされた蜂蜜が棚から落ちて割れ、足の踏み場もない状態。さらに、今年熊本や青森で採ったばかりの蜂蜜を保管していた一斗缶1,500缶が倒れ、その内の150缶(3,600㎏)から蜂蜜が流れ出てしまい、床一面が蜂蜜で埋め尽くされていました。
断水で水が出ないなか、拭いても拭いても、傷ついた缶のどこからか漏れ出します。「どこから手を付ければいいのか……」誰もが途方に暮れるほどのマイナスからのスタートでした。
支えてくれた仲間の絆と「ミツバチ」への想い
絶望のなかにいた西岡養蜂園を立ち上がらせたのは、周囲の温かい支援と、命を守るという強い想いでした。地震直後、自分たちの生活もままならないなかで会社へ駆けつけ、片付けに奔走してくれたスタッフたち。そして県内外から「今まで助けてもらった恩返しだよ」と駆けつけてくれた同業者や取引先の仲間たち。
猛暑のなか汗だくになりながら復旧作業を手伝ってくれた方々の支えにより、本来なら何か月もかかるはずだった片付けがわずか半月ほどで目途がつきました。
また、加工場の片付けと並行して、スタッフたちが何よりも優先したのが「ミツバチの元へ行くこと」でした。道路が寸断され、通常なら1時間の道のりに4時間以上かかる状況でしたが、一刻も早く安否を確認したい一心で蜂場へ向かいました。無事にミツバチの羽音を聞いたとき、スタッフ一同「生きていてくれた」と胸をなでおろしたといいます。
ピンチをチャンスに。新しい挑戦とこれからの歩み
地震から1ヶ月ほどで、待ち望んでいた水道などのインフラも徐々に復旧し、店舗や事業も少しずつ再開を果たしました。 加工場が被災し、これまで通りの商品お届けが難しくなるなか、西岡養蜂園では「今できることは何か」を考え、SNSを活用した被災蜂蜜の販売やクラウドファンディングなど、新しい取り組みにも挑戦を開始しています。
代表がいつも口にする「ピンチをチャンスに!」という言葉。完全な復旧までには5年以上の長い年月がかかると予想されていますが、西岡養蜂園は「元の姿に戻るだけでなく、この経験を力に変えて、今まで以上により強い会社を目指す」と力強く前を見つめています
西岡養蜂園の蜂蜜は、自然の恵みと、ミツバチへの深い愛情、そして困難に負けない生産者の情熱によって作られています。たくさんの温かい支援とスタッフの絆により、再び未来へ向かって動き出しています。ぜひ、西岡養蜂園のおいしさが詰まった蜂蜜をご賞味いただき、復興への歩みを見守っていただけますと幸いです。
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