若きスタッフたちが育む「丹沢高原豚」のおいしさの秘密【前編】
~丹沢農場(神奈川県)~
今週は畑だより『番外編』として、農産品ではなく畜産品の「産地だより」をお届けします。
「生き物だからこそ、大切に」豚第一の飼育へのこだわり
らでぃっしゅぼーやの人気商品「丹沢高原豚」の生産者、丹沢農場では養豚から加工まで一貫生産。丹沢農場が掲げるモットーは「豚もスタッフも過ごしやすい農場」です。
現場には「本当に動物が好きで、豚を大切に思っている人」が集まり、豚の快適さを愚直に追求した飼育を行っています。「水を飲めているか」「寝るスペースは心地よいか」などの細かな変化を見逃さないよう、豚がストレスなく過ごせる設備投資や環境改修を重ねてきました。
1000頭すべてを、この目で観察。母と子の健康に配慮
農場で繁殖部門の責任者を務める坂井さんも、豚への深い愛情を持つスタッフのひとり。「大切なことは、1000頭ほどの仔豚を毎日必ず全頭しっかり観察すること。」そう語る坂井さんの毎日は、1秒の油断も許されない観察の連続です。
丹沢農場では、特に生まれたばかりの仔豚の「最初のコンディションづくり」を何よりも大切にしています。できるだけ母豚と仔豚を長く一緒に過ごさせ、母乳をしっかり飲めるよう配慮。小さな仔やうまく飲めていない仔もきちんと飲めるようにします。
母豚は一度に12〜13頭ほどの仔豚を出産しますが、何頭の仔豚を離乳まで健康に育て上げられるかは、母豚の体調や年齢によって一頭一頭異なります。母豚は自分の能力以上に子どもを育てようとすると、自らの身を削り、どんどん痩せていってしまいます。無理をさせすぎると身体を壊し、その後の繁殖や健康状態にも大きな影響が出てしまうため、母豚のコンディションをしっかり見極めなければなりません。
時には、母豚の負担を減らすために仔豚を里子に出すことも。さらに、母豚(15〜20℃)と仔豚(30℃前後)では約10℃も異なる快適温度を保つため、保温箱への誘導や豚舎の温度調整もこまめに行います。
約1か月間の哺乳期間を終え、仔豚専用の豚舎で30〜40頭のグループ生活に移る際も、体の小さな仔がエサの奪い合いで負けてしまわないよう、発育や体格を揃えてグループを組む配慮が必要です。
現場スタッフの声~繁殖部責任者坂井さん
『現場での仕事は毎日が学びの連続です。命を扱う仕事の難しさを日々感じています。豚も十人十色で1頭1頭表情が違ったり、行動がおかしな子がいたりと毎日飽きません。豚の言葉が分かったらどれだけ楽しいかなんて考えたりもします。
日々豚と向き合い大切に育てることが私たちの役割であると同時に、私はその先の丹沢農場の商品を待っていてくれる人たちのことを忘れないようにしています。その存在がより私の仕事への意欲を高めてくれています。』
命と真っ直ぐ向き合い、てまひまを一切惜しまないその姿勢こそが、健やかな育成の基盤となっています。「どうしても動物に携わる仕事がしたい」と丹沢農場にやってきた坂井さんのような若い力が、命を大切にする養豚を力強く支えています。(後編に続く)
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