らでぃっしゅぼーや

今週の畑だより

らでぃっしゅぼーや農産担当による
畑の"今"を届ける産地密着コラム

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今シーズンのりんご事情

8月の早生(わせ)種から始まり、10月に入り現在は中生(なかて)種の「シナノスイート」「トキ」「紅玉」「秋映」などをお届けしています。11月以降は「ふじ」「王林」「ぐんま名月」などの晩生(おくて)品種へと移り変わり、季節とともに味の変化もお楽しみいただけます。

産地も品種も多岐にわたるりんごですが、今年は様々な要因で、見た目がきれいでないものが例年より多くなっています。幸いにも日照は十分で、味はおいしく仕上がっています。安心してお召し上がりいただけるよう、今年よく見られる外観の特徴を3つご紹介します。

今年のりんご特徴①サビ果・変形

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皮の一部が、茶色くカサカサとサビのように見える「サビ果」や、形がいびつなものが多く見られます。これは外観だけの問題で、味には影響がありません。皮ごとお召し上がりいただいても大丈夫です。

サビ果や変形はりんごの中心花ではなく側花(そっか)を育てた場合にみられる症状です。

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花びらが開いているのが中心花。まわりが側花

りんごはひとつの芽から5~6個の花を咲かせ、普通であれは一番早く咲き栄養がまわりやすい「中心花」だけを育てます。
ところが近年の酷暑の影響で花芽が充実せず、翌年春の中心花の受粉がうまくいきません。

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中心花が受粉できない場合、その周りの側花のなかから状態のよいものを育てることになりますが、側花のりんごはサビ果や奇形になりやすいのです。

酷暑で樹が弱る

花芽も弱く受粉がうまくできない

受粉できた側花を育てる

サビ果・変形が多くなる

というメカニズムです。
幸いサビ果や変形は味には影響がありません。見た目はよくありませんが、安心してお召し上がりください。

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サビはヘタの周りにもよくみられます

今年のりんご特徴②少雨の影響で小さめ
今年は雨の量が極端に少なく、品種や産地を問わず小ぶりな実が多いです。
しかし日照は十分で光合成がしっかり行われたため、小さくても味はしっかりおいしく仕上がっています! 特に小さいものは「ふぞろい小さめりんご」として、数を多めにしてお届けしています。

今年のりんご特徴③カメムシ被害
青森の産地では、これまで地域で見られなかった種類のカメムシが多く発生。りんごにも被害が出ています。 カメムシが吸った痕は皮を剥いても実に残っていることがあります。

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カメムシが吸った痕

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果実にも痕が残る場合があります

食べても問題はありませんが、気になる場合はお手数ですが痕の部分を取り除いてお召し上がりください。
範囲が小さいもの、軽微なものは品質に影響がないため、お届け対象とさせていただいています。

「おいしいりんごを届けたい」という産地の想い
酷暑だけではなく、豪雪や熊被害なども各地で発生しておりりんご産地の悩みは尽きません。

青森県では昨冬、記録的な豪雪でりんごの樹が大量に折れました。今年はその影響で収穫量が減っています。らでぃっしゅぼーやの生産者でも、平年の4割減という方もいます。

昨冬の3メートルの積雪で折れたりんごの樹(新農業研究会)

出荷量が減っている品種の価格は高騰しています。海外輸出向けなどは、まだ青くて味がのっていなくても小さくても、高値で売れるという状況も生まれているようです。

そんななかでも青森県の新農業研究会の生産者は、いくら高く売れてもおいしいと思えるものでなければ売らないという考えを話してくれました。完熟してしっかりおいしくなる頃には市場価格は落ち着き、損得だけを考えれば早く売る方が得策ですが… 「ウチらの会は、考えて損してでもおいしいリンゴを作る。そこだけは誇りもってやっている」と。

様々な苦境のなか生産者がこだわりを貫いて栽培したりんごです。ひとつでも多くお届けできるよう、外観・品質・味を精査しながら、生産者とともに取り組んでいきたいと思います。

ご意見、ご感想、生産者への
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