ご家庭で食べるときが一番おいしい状態でお届けするピザ

ご家庭で食べるときが一番おいしい状態で
お届けするピザ

お客様がご自宅のオーブントースターで温めたときに一番美味しくなるように釜での焼き時間、生地を捏ねる時間、ソースの状態を計算して作っているという通販のピザ作りに特化した「石窯ピザ南風堂」。代表取締役の江端忠志さんと店長の江端正志さんのご兄弟で経営されています。千葉県松戸市の工房兼事務所を訪ね、お話をうかがってきました。

文: 田口清香 写真:鹿又聡恵

表面はパリッ、中はふっくらもちもち

「石窯ピザ南風堂」のピザの特長はなんといっても、イタリア製の石窯を使って400℃の高温で焼いていること。石窯はピザを短時間で一気に焼き上げ、生地内部の水分を保持しつつ、表面はパリッと、中はふっくらもちもちとしたナポリタイプのピザ独特の食感を生み出します。
石窯の中はピザ生地を置く位置によって微妙に温度が違うので、それぞれの生地の焼き目の様子を目で見て確認しながら焼き時間を毎回調整しています。

約20年前から使われているイタリア製の石窯。
約20年前から使われているイタリア製の石窯。
生地の縁の焦げ目がおいしいナポリピザの証。中はふっくらもちもち。
生地の縁の焦げ目がおいしいナポリピザの証。中はふっくらもちもち。

約70種類の組み合わせを試して行きついたピザ生地と72時間熟成

ピザ生地の材料は小麦粉、塩、酵母、水だけといたってシンプル。小麦粉は国産、イタリア産、オーストラリア産など数種類の小麦粉を試し、酵母は3種類、これに水分量や捏ねる時間などを変え、70種類近くの組み合わせを試してピザ生地を開発しました。特に小麦粉は「色々試した中で、香りが強く一番おいしかった」と正志さんが語る、国産の準強力粉を使用しています。ご家庭で2度焼きして仕上げた時に、固くなりすぎず一番おいしくなる小麦粉を追求した結果選ばれたこだわりの原料です。

選りすぐりの小麦粉と塩。配合率も研究を重ねています。
選りすぐりの小麦粉と塩。配合率も研究を重ねています。

南風堂さんならではの作り方のこだわりをうかがうと、「生地を作ってから最低72時間、通常5日ほど熟成させている」とのこと。長期熟成させることで、香りがよくなり、焼き上がりの見た目も違ってくるそうです。
酵母は酵母臭が少なく、小麦粉の香りをじゃましない有機天然酵母を使っています。発酵の力は弱いので、なおさら長期熟成が重要だとのこと。これだけの熟成期間をとるのは、他になかなかありません。

きれいに丸められたピザ生地。この後72時間以上熟成させます。
きれいに丸められたピザ生地。この後72時間以上熟成させます。

220種類以上のメニューを開発したアイデアマン

ピザのレシピは正志さんと姉の文子さんで考えているそう。正志さんは、以前コンピューター関係の仕事をされていましたが、夢だったレストラン経営を目指してイタリアにある料理学校でイタリア料理について学び、ピザの作り方はイタリアの石窯のメーカーからおしえてもらったり、独学で今の製法にたどり着きました。「今まで南風堂で開発してきたレシピは200種類(!) を超えるのではないか」とのこと。後日、数えていただいたら、221種類のレシピがあったそうです。

とても仲の良い江端忠志さん(右)と江端正志さん(左)のご兄弟。
とても仲の良い江端忠志さん(右)と江端正志さん(左)のご兄弟。

南風堂さんにはこれまでも豊作のりんごや、サイズなどの理由で規格外となったレモンを使ったピザ作りをお願いしてきました。「自由に好きなピザを作ってくださいと言われるより、原料からどんなピザを作ろうかと考える方がアイデアが浮かぶんですよ」というアイデアマンの正志さんです。

規格外のふじを甘露煮に。規格外のりんごを活用していただきました。
規格外のふじを甘露煮に。規格外のりんごを活用していただきました。
「もったいないりんごのドルチェピザ」の製造風景。1枚1枚手作業でトッピング。
「もったいないりんごのドルチェピザ」の製造風景。1枚1枚手作業でトッピング。

規格外の枝豆がごちそうに。日本の旬を楽しむ創作ピザ

今回は、新潟県産の、鞘に1粒か2粒しか豆が入っていない、鞘に傷があるなどで規格外としてはじかれた茶豆を原料に使ってピザを作ってもらいました。
茶豆と生クリームを合わせた枝豆クリームをベースに、新潟県産の茶豆、金時豆、大豆の3種類の豆と、モッツァレラチーズ、チーズの王様と呼ばれるパルミジャーノレッジャーノをトッピング。お豆がメインでさっぱり感を感じさせつつも、濃厚なチーズで満足感をプラスした、日本の旬を楽しむ創作ピザができました。一切れ頬張るとお豆の風味が口いっぱいに広がります。
枝豆クリームは機械を使わず、手で1枚1枚生地に塗っています。多い時で1日10種類近くのピザを作ることもあるそうですが、これは全てのピザとその工程をほぼ手作業で製造しているからこそできるそう。

お豆の風味ととろけるチーズのバランスが絶妙。
お豆の風味ととろけるチーズのバランスが絶妙。

訪問後記

閑静な住宅街の一角にある工房で、石窯ピザは作られていました。伺った際は、工房で働く皆さんが明るく挨拶をして迎えてくださいました。店長をはじめ、皆さんがアットホームな雰囲気の中、楽しんでピザ作りをされている姿が印象的でした。
「石窯ピザ南風堂」さんのピザは、不定期でふぞろいRadish商品としてご紹介したり、おいしい定期便「石窯ピザ倶楽部」で楽しんでいただけます。
今後もピザの材料として使えそうな「ふぞろい」原料をみつけたら、正志さんに新たなピザ作りをお願いするつもりです。お楽しみに。

「石窯ピザ南風堂」の皆さん。笑顔があふれる明るい現場です。
「石窯ピザ南風堂」の皆さん。笑顔があふれる明るい現場です。
約20年前から使われているイタリア製の石窯。
約20年前から使われているイタリア製の石窯。
生地の縁の焦げ目がおいしいナポリピザの証。中はふっくらもちもち。
生地の縁の焦げ目がおいしいナポリピザの証。中はふっくらもちもち。
選りすぐりの小麦粉と塩。配合率も研究を重ねています。
選りすぐりの小麦粉と塩。配合率も研究を重ねています。
きれいに丸められたピザ生地。この後72時間以上熟成させます。
きれいに丸められたピザ生地。この後72時間以上熟成させます。
とても仲の良い江端忠志さん(右)と江端正志さん(左)のご兄弟。
とても仲の良い江端忠志さん(右)と江端正志さん(左)のご兄弟。
規格外のふじを甘露煮に。規格外のりんごを活用していただきました。
規格外のふじを甘露煮に。規格外のりんごを活用していただきました。
「もったいないりんごのドルチェピザ」の製造風景。1枚1枚手作業でトッピング。
「もったいないりんごのドルチェピザ」の製造風景。1枚1枚手作業でトッピング。
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