東洋医学の基本は、日々の「ご自愛」です。
心がけから始める健やかな身体とこころの整え方を
均整師の中野史朗さんがやさしくガイドします。

指 南・47

そもそも東洋医学とは?-3

 日々の施術の中で、患者さんに「最近、甘いものをたくさん食べました?」とか「心臓の調子はどうですか?」ときくことがあります。大抵、「バレンタインで…」とか「時折動悸がするんです」なんて答えられます。これは、私が超能力者というのではなく、東洋医学には身体のコリや歪みなどで内臓のどこが疲れているか(病気があるというわけではありませんよ!)経験的に推測できます。

 現代のように、身体の中を見通せるような最新の医療機器や血液検査などがなかったその昔は、人々は何とかして身体の情報を知ろうと、人体を観察しました。すると身体の中の状態が背中やお腹のコリ、身体の動きや歪み、脈や舌の状態といった、身体の外側の状態に反映されることがわかりました。そして、コリや歪みは本格的な病気になる前から身体に見られることもわかり、さらに何らかの方法でそのコリや歪み、脈や舌の状態を改善すると体調が良くなるだけでなく、病気にもなりにくいということを併せて発見しました。この経験の積み重ねが東洋医学をかたち作り手技や鍼灸、漢方という治療手段を発展させ、今日に至っています。

 いまは現代医学が発展し、多くの病気が過去のものとなり寿命も延びました。しかし、病気以前の不調を改善させたり、体調を保つことは現代医学においてあまり得意な分野ではありません。

 そんなときは東洋医学の知恵を活用してください。たとえば、身体の動きで自分の身体の状態をある程度知る方法があります。足を肩幅に開き、無理をせずに前屈・後屈します。次に手を頭の上に組んで上半身を左右に倒します。最後に手はそのままで左右に上半身をねじります。きっとやりにくい動きがあると思います。

 前屈か後屈がとてもやりにくいときは東洋医学では頭が疲れていると考えます。左右に倒しにくいときは胃腸などの消化器が疲れている、左右に捻じりにくいときは腎臓や膀胱といった泌尿器が疲れていると考えます。

 そして、頭の疲れには軽い運動や睡眠を多めにとる、胃腸の疲れは腹七分目にしてよく噛む、泌尿器の疲れは足湯をする、という方法である程度自身で身体を整えることも可能です。これを東洋医学では「未病を治す」といいます。これが〝ご自愛のすすめ〟です。ぜひ、東洋医学の知恵を生活の一助としてお役立てください。

夏の疲れのご自愛法


足のツボ、行間(こうかん)と太衝(たいしょう)の間を指圧します

梅雨から夏にかけては消化器が疲れやすくなります。
足三里(あしさんり)のツボを指圧しましょう。

ご紹介の内容はひとつの参考としていただき、体調と向き合い、
治療については主治医の先生と話し合いながらすすめてください。



中野史朗(なかの・しろう) 均整師・整体師。東京・品川区の治療院「開音堂」で多くの患者さんと向き合う。均整術、鍼灸のほかオステオパシーの研究や通訳・翻訳も手がける。幼児期からの重度のアトピーを東洋医学で克服した。著書に『からだをほぐす こころをゆるめる』(説話社刊)。

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