ドイツパンに魅せられて国産素材で追い求めた味 有限会社ザクセン 代表取締役 中村謙介さん

2018.3.12

学生時代にドイツのニーダーザクセンに留学し、ドイツパンのおいしさにとりつかれた(有)ザクセンの中村謙介社長。
その味を日本でも食べたいと自らパン作りをはじめた中村社長の情熱が、おいしいパンになって私たちの元へ届きます。

  • 長年日本の家庭に本格派ドイツパンを届けている窯は社名入り。
  • おいしいパンを焼くために火加減や配置にも神経を使います。
  • 焼き上がったパンを取り出すときがいちばんの楽しみ。

留学先のドイツで食べた
パンのおいしさを再現

16穀食パンなどでおなじみのザクセンのパンは、小麦本来の豊かな味わいが楽しめると人気です。社長の中村謙介さんは、30年ほど前に脱サラをしてパン作りをはじめました。

「学生時代に留学していたドイツには、小さなパン屋さんがたくさんありました。町の人は、朝食用のパンを買う店、昼用、夜用と、お店を使い分けていたんです。どこもおいしくて、それぞれに味が違っていました。当時、帰国して気づいたのは、日本のパンはどれも同じ味で、添加物も多いということ。おいしく食べ続けられるパンがほしいと思っていたときに天然酵母のパンに出合い、ドイツパンのあの味わいに再会したんです。以来、すっかり天然酵母パンの虜になりました」

中村社長の実家はパン工場でした。さっそく原料を持ち込み、自分が食べるための天然酵母パンを職人さんに焼いてもらったそうです。知人にお裾分けしていくうちに、そのおいしさが口コミで広がり、自然食品店から発注が来るようになりました。そこで、会社を辞めて6畳ほどの小さな工場を持ち、パン作りを開始しました。

一次発酵が終わったら、成形して型に詰めて二次発酵へ。

毎日食べても飽きない
シンプル素材へのこだわり

「自分が食べ続けたいパンを作る」ことからスタートした中村社長。今でもその精神は変わらず、それが製法のこだわりにも現れます。
ザクセンでは、小麦など基本的な原材料は可能な限り国産を使い、天然酵母でパンを作っています。
国産小麦は膨らむ力が弱かったり、水分量に微妙なばらつきがでるなどの弱点があります。それでも国産小麦にこだわるのは、風味がいいから。その国産小麦の味わいを最大限に引き出すのが天然酵母です。生地には、天然酵母から作る生種を加えますが、生きているため生種の力は一定ではありません。そこで、16時間かけて発酵できるよう生地を練り上げる温度を微妙に調節します。

「きちんと時間をかけて発酵させれば小麦本来の味が出てきて、余計なものを添加しなくてもおいしいパンができるんですよ。一般的な食パンは、食感をよくするために油脂や甘味料などを加えますが、毎日食べても食べ飽きないパンはシンプルなほうがいい。白いごはんと同じで、トーストしたパンはいろいろなおかずが合います。皆さんも、お好きな組み合わせを見つけて、多様な食べ方を楽しんでください」

ほとんど休みもなく働いている中村社長にとって、パンを焼くのは呼吸をするのと同じレベルなのだとか。「焼き上がったパンの“かわいらしさ”を見るのがいちばんの幸せ」という社長の情熱は、日本のパン文化の牽引に欠かせません。

おいしさのヒミツ

国産16穀食パン

  • こだわりの国産素材
    生地は、膨らむ力が強い北海道産小麦と、風味のよい九州産小麦、赤穂の天然塩、喜界島の洗双糖、国産雑穀ミックス、ホシノ天然酵母をミックスして練り上げます。
  • 約3日かけて仕込む天然酵母
    パンの仕上がりを左右する生種は、粉末の天然酵母をぬるま湯で練り、30℃で24時間発酵後、冷蔵庫で2~3日間寝かせます。舐めたときピリッとするのがいい状態。
  • 温度管理が命の一次発酵
    材料を混ぜた生地を分割して22℃で16~18時間発酵。生種が強いときは生地を練るお湯の温度を0.1℃単位で調節して発酵が進みすぎないように管理します。

つくり手こだわりの商品

※時期の関係でお取り扱いがない、もしくは販売終了している場合がございます。予めご了承ください。

食パンはトーストすると本当のおいしさが味わえますよ!

東京都板橋区

有限会社ザクセン

できる限り国産原料を使用し、ない場合には外国産のオーガニックのものを、それもない場合はそのパンを作る必要があるか考え直すという方針を貫き、現在のアイテム数は50~60ほど。中村社長のユニークなアイディアが光ります。

トップへ戻る