淡路の海がうまくする素材が引き立つお惣菜 武田食品冷凍株式会社 代表取締役 武田康平さん

2018.2.19

淡路島・由良港は近くにある島が防波堤となり、外海の荒波が入らず、プランクトンが豊富な好漁場。
近海でとれる新鮮な素材で、魚介の味が引き立つお惣菜を作っています。

新潟県新潟市南区(有)まえた
  • 淡路島の東南・紀淡海峡を目前に臨む由良港にある、武田食品冷凍(株)
  • 秋冬限定、国産“寒さば”
  • 2時間かけて炊き上げます

寒さばや天然わかめの
深い味わい

「淡路島には干物の食文化がないんですよ。一年中新鮮な魚が手に入って、保存する必要がないから」と、生粋の海の男である武田食品冷凍(株)の代表取締役・武田康平さん。加工場は、子どもの頃から慣れ親しんできた天然の良港、由良港の目の前にあります。

水産物の惣菜を手がけるようになって約40年。由良港や近海で揚がる水産物の佃煮、煮魚などを製造しています。なかでも、らでぃっしゅぼーやで好評なのが「淡路職人 国産さばの味噌煮」。武田さんが自ら選んでいる真さばは、10月から1月に水揚げされる“寒さば”限定です。身質がきめ細やかで脂のりも抜群。この寒さば本来の味を出すため、国産原料主体の厳選した調味料と配合に時間をかけ、たどりついたのが関西風の調理法。
「醤油ベースで炊き、そのあと白味噌を加える。こうすることで、味噌の風味がしっかりありながら、さばの味も引き立つんですよ」

また、「淡路職人 茎わかめと椎茸の佃煮」の茎わかめは、淡路島由良地域の天然わかめの茎を使用。全国でも養殖のわかめがほとんどを占めているなか、希少な天然ものは佃煮にしてもシャキシャキした食感としっかりした味わいが特長。うまみのある兵庫県産椎茸とともに、薄味で炊き上げています。
どちらも、直径50㎝ほどの小さな鍋で職人が丁寧に煮込みます。「手間も時間もかかるけど、少しずつの量をじっくり煮込むことで素材の味が引き立ち、やさしい味わいになります」

お惣菜を作る上で武田さんが大切にしているのは、素材の鮮度。「鮮度がよければ、その持ち味を最大限に生かすだけ。添加物や着色料は必要ありません」
しかし、その素材である魚介類が激減しているという、深刻な状況もあります。

資源は無限ではない。
海の環境を守る活動

イカがいない、サンマの不漁、鮭が揚がらない……。2017年は、全国でこんな話をよく耳にしました。状況は、淡路島も同じです。島では、ある魚が問題に。
「増え過ぎたサメやエイが、タコなどを食べてしまって激減し、もう壊滅的な状況。昔は、島の人たちがサメやエイを適度にとって食べていたから、生態系がちゃんと守られていたんですよ」

でも、サメやエイはとっても生きたままリリースされているのが現状。とれたものを無駄なく使うために、水産環境までトータルに考えたものが、今回新登場となる商品です。
「生態系の維持、漁業者や地域の活性化、水産加工業など循環型で考えたシステムを作らないと持続可能ではなくなってくる。サメやエイがいるのは、淡路島だけの話ではない。システムを考えればいろんな地域の悩みが解決します。消費者の方も、サメやエイを食べることに目を向けて欲しい」

生来の親分肌。「淡路島のサメは俺が全部引き取る」。そんな気概を持って取り組んでいる武田さん。全国での講演会も多く、陸をまわる日々はこれからも続きそうです。

おいしさのヒミツ

国産さばの味噌煮

  • 脂のりがいい寒さば
    秋から冬に揚がった、脂のりのいい“寒さば”(真さば)を使用。身の質がきめ細かく、ふっくらしているのが特長。半身にしてから包丁で食べやすい大きさに切ります。
  • 厳選した調味料を使用
    流通の過程で遺伝子組み換え大豆と一度も接触していないなどが証明できる醤油、種子島産粗糖や国産原料を主原料にした調味料を使用しています。
  • 落とし蓋をして丁寧に炊き上げ
    さばそのものの味を出すため、醤油ベースに白味噌を加えて炊き上げます。味が均等に染み込むように皮は上に。しっかりした身だから煮崩れしにくい。

つくり手こだわりの商品

※時期の関係でお取り扱いがない、もしくは販売終了している場合がございます。予めご了承ください。

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