レトルトのイメージが変わるおいしさ!えんどう豆/トマトの冷製スープ2種 株式会社にしき食品 社長 西木和徳さん

2017.5.29

ひんやりとした、のどごしのいい冷製スープが恋しい季節となりました。
昨年好評だった、にしきやのえんどう豆とトマトの2種類の冷製スープ、今年は、そのおいしさの誕生秘話とともにお届けします。

なめらかさにこだわった
えんどう豆のスープ

会員さん&らでぃっしゅぼーやとのコラボカレーでおなじみのにしきや。昨年5月に社長に就任した西木和徳さんは、「レトルトというイメージが変わるようなおいしさを追求し、レトルトの新しい価値をつくりたい」と、言います。
そんなコンセプトの下、開発されたのが「にしきや冷製えんどう豆のポタージュスープ(サンジェルマン)」と「にしきや冷製トマトスープ(ガスパチョ)」。どちらも素材や製法にこだわり、「これがレトルト?」と思わせるほどの仕上がりです。
その味わいの裏には、どんなご苦労があったのでしょう。商品開発部部長の武藤守さんにお話をうかがいました。

加圧加熱殺菌をして完成したガスパチョ(左)とサンジェルマン(右)

「サンジェルマンは、工場で実際にラインテストをしたところ、開発室での試作品よりも濃度がつきすぎてしまうという失敗がありました」
サンジェルマンは、北海道産のえんどう豆を自社でペーストにしたものを原料に使ったなめらかなポタージュです。えんどう豆をすりつぶしすぎると、デンプンによって濃度が高くなってしまいます。また、なめらかさを出すことと、スープの分離を防ぐためにホモジナイザーという機械を通して分子を均一化していますが、試作用の小型ホモジナイザーと同じように工場用の大型機械を設定しても、想定以上に分子が細かくなり、やはり濃度がつきすぎてしまうそうです。
失敗作のスープは決して飲めないようなものではありませんが、目指した仕上がりにするために微調整を重ねたそうです。
「開発では、お客さまに何を伝えたいのかを大切にしています。サンジェルマンなら、“国産えんどう豆を使って、とてもなめらかなおいしいスープができたのでぜひ飲んでください”ということです」(武藤さん)

ホモジナイザーをかけると、スープはさらになめらかな仕上がりに。

フレッシュ感を損ねないよう
試行錯誤したガスパチョ

一方のガスパチョは、トマトをベースに、きゅうりや玉ねぎ、ピーマンなどを使ったさわやかさが特長のスペイン料理です。
実はこの「にしきや冷製トマトスープ(ガスパチョ)」は、レトルトパウチ食品ではありません。レトルトパウチ食品は殺菌のために120℃で4分相当以上の加熱処理が必要です。しかし試作をしてみると、高温すぎてガスパチョならではのフレッシュ感がなくなってしまいました。
そこで、いろいろと考えた結果、白ワインビネガーやトマトなど酸性のものをうまく配合しながら㏗を下げたうえで、レトルトパウチ食品より低い熱で殺菌して、微生物が発育しない環境にしました。これによって、ガスパチョならではの、フレッシュ感を保つことができました。
「理論的には日もちするとわかっていても、やはり不安があり、試験で安全性に問題がないとわかったときは、とてもうれしかったですね」(武藤さん)

みなさんに喜んでもらえる商品にするため、試作を繰り返す武藤さん。

こんなふうに試行錯誤しながら開発されるにしきやの商品。西木社長によると、「今年は、既存商品の素材や製法を見直し、よりおいしくブラッシュアップしていく」とのこと。
現場の細かい努力の積み重ねによって目標に掲げた「レトルトの新しい価値」をにしきやの商品で感じてください。

おいしさのヒミツ

にしきやのこだわり

  • 北海道産えんどう豆は、石臼の原理の機械でペーストに。塩「シママース」と、沖縄の砂糖「本和香糖」、さらにオニオンソテー、チキンエキス、牛乳などこだわりの原料を混ぜ合わせたら、えんどう豆の青くささを取り除くためにさらに加熱。この一手間がおいしさには欠かせない。

  • 部長の武藤さん(前列右)を中心に、さまざまな商品の開発を手がける商品開発部のメンバー。チームワークのよさも、おいしい商品を生み出す秘訣。

  • 開発段階では、温度や濃度、味わいなどデータを細かくチェック。

  • トマトの酸味がさわやかなガスパチョ(手前)と、クリーミーなサンジェルマン(奥)は、忙しい朝でもたっぷり野菜が摂れるお助けの1品。これからの季節、冷蔵庫にストックしておくと便利です!

つくり手こだわりの商品

※時期の関係でお取り扱いがない、もしくは販売終了している場合がございます。予めご了承ください。

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