一年越しで誕生した、黄金比マヨネーズ 開発課長 杉田留巳子さん(左)/工場長 越路文彦さん(中)/品質管理課長 小川国孝さん(右)

2018.1.8

どんなに厳選した素材でも、バラバラでは決して出せない味があります。
丸和油脂 春日部工場で作られるマヨネーズやスプレッドは、どれも、食材とよく合い、食卓をふんわりと彩ります。
それは、創業以来のチャレンジ精神が生んだ、幸せのハーモニーです。

埼玉県春日部市丸和油脂株式会社
  • 製造スタート。まず、平飼い卵の状態をチェック
  • 次々にマヨネーズが充填されていく
  • 仕上がりのチェックも欠かせない

チャレンジとチームワーク、
それが丸和の精神

丸和油脂株式会社の創業は、大正12年。マーガリンメーカーとしてスタートしました。
「初代経営者が、事業を少しずつ大きくして『みんなが丸い和(輪)になって、わいわい仕事をやっていこう』という意味で付けた。それが社名の由来です」と話すのは、工場長の越路文彦さん。

「初代は、チャレンジ精神が旺盛だったと聞いています。例えば、途中からマヨネーズも作るようになりましたが、実はマヨネーズを作る技術って、まったく別物なんですよ」
マーガリンとマヨネーズ、どちらも油を原料として作りますが、マヨネーズは油を水で包み、マーガリンは水を油で包む、という逆の乳化構造なのです。

「マヨネーズを作るためには、全部イチから製造設備をそろえないといけません。うちみたいに、両方の乳化構造の商品が作れるところは珍しいです。だから、細かい要望にこたえられるのが強みですね」
チャレンジ精神と培われた技術力があるからこそ、こだわりづくしのマヨネーズ開発に挑むことができました。

工場にかけてある額の絵は、社名の由来である「みんなが丸い和(輪)になって、わいわい仕事していこう」を表現している

30パターン試作して、
やっとたどり着いた味

平飼い卵の濃厚な旨みに、はちみつのコク、純米酢の酸味と純りんご酢のフルーティーな香り。多くのファンを持つ平飼い卵マヨネーズは、らでぃっしゅぼーやオリジナルのプライベート・ブランド商品です。原料は、非遺伝子組み換えのなたね油、平飼い卵、純りんご酢、純米酢、はちみつ、マスタード、パーム油、塩。これらを撹拌して作ります。
「シンプルですよね。一般的なマヨネーズとちがって、化学調味料やたん白加水分解物を入れないので、ごまかしがきかない。素材の味がストレートに出るんです」

そう話すのは、開発課長の杉田留巳子さん。24年間商品開発に携わってきましたが、平飼い卵マヨネーズをリニューアルしたときのことは忘れられない、と言います。
「最初は、半年くらいで製品化できるかな、と思ってたんですけど、なかなか納得のいくものができなくて」
世の中のマヨネーズは、大きく全卵タイプ(色が白くさっぱり)と卵黄タイプ(黄色みが濃く濃厚)に二分されます。
「全卵と卵黄、両方を使って、全体のバランスをみつつ、いいところが生かせる配合率を探しました」
納得のいく味に行きつくまで繰り返した試作は、30パターンに及びました。

「結局、製品化までに1年かかりましたけど、その分、自信を持てるマヨネーズができました。やっぱり、いろんな挑戦が楽しいです」と杉田さんは笑います。
それぞれの個性をどう調和させ、どう生かすか。人も製品も、丸い和(輪)になって、おいしさを作っています。

マヨネーズの粘度を検査しているところ。味わいには、かたさも関係する。設計どおりになっているか、しっかりチェック。

おいしさのヒミツ

マヨネーズのこだわり

  • 全卵、卵黄のいいとこどり
    一般的なマヨネーズは全卵タイプ(さっぱり)か卵黄タイプ(濃厚)だが、これは全卵、卵黄両方を使った“いいとこどり”。両者を黄金率で配合している。
  • “かたさ”に込めた意図
    一般的なマヨネーズより少しかため。野菜にかけたとき、絞り跡がきれいに出て、ディップやタルタルソースにアレンジしてもたれないように設計した。
  • マヨネーズは生きている!
    製造後、時間をおいた方が安定しておいしくなるので、1週間寝かせてから出荷している。アミノ酸量がアップする製造後1ヶ月以降からが味のピーク。
  • はちみつ使いにワザあり
    コクがあって、後味はすっきり。砂糖より扱いにくく、導入当初は製造現場で戸惑いもあった。平飼い卵の濃厚なうまみを存分に生かす、名脇役。

つくり手こだわりの商品

※時期の関係でお取り扱いがない、もしくは販売終了している場合がございます。予めご了承ください。

「食べたい!」という人に食べてもらえればいい。納得できない魚を使う気はないからね。

丸和油脂株式会社

大正12年、当時珍しかったマーガリンメーカーとして創業。学校給食用マーガリンやスプレッドも製造しているので、実はこちらの商品を食べたことがある人は多いはず。商品開発チームの8割は女性。創業者のチャレンジスピリットを受け継ぎ、日々新しい商品を生み出している。

苦労した分、形になったときは嬉しいです。娘に「見て見て!」って自慢したりするんですよ。
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