ごまの認識をくつがえす別格の香りを生み出す「炒り」の匠 山田製油のみなさん

2017.4.10

「一度食べたらやみつきになるおいしさ」と、らでぃっしゅぼーやでも根強いファンを持つ山田製油のごま製品。そのおいしさの秘密を知りたくて、京都を訪ねました。

ひと釜ひと釜、
ごまと対話しながら

鼻をくすぐるふくよかで魅力的な香り。かむと口に広がる深いコク、かすかな甘みと渋み。山田製油のごまを食べて「ごまってこんなにおいしいナッツだったんだ!」と驚いた方も多いのではないでしょうか。

「何もうちが特別なゴマを使うているわけやありまへん」
破顔一笑、快活に語るのは、代表取締役の山田康一さん。香りの匠、その人です。
「ごまは農産物なんですよ。99.9%は外国産で産地もナイジェリア、パラグアイ、いろいろ。味も違う。なのに商社や問屋が仕入れの時に見ているのは、粒や色などの見てくれ。
うちが見るのは食べてうまいかどうかということが1つ。でも、やっぱり決め手は焙煎です。よそのメーカーさんは大型の機械を使って大量のごまを一定水準の味と香りになるように焙煎してはる。うちはごまに合わせて焙煎を変える。それだけのことです」

ごまには、まろやかで油脂の多い白ごま、香ばしい香りの黒ごま、洗練された香りの金ごまの3種類があり、それぞれの個性に合わせた最適な焙煎方法があります。山田製油には炒りごま、ねりごま、ごま油など製品ごとに焙煎のスペシャリストがいて、ひと釜ずつ丁寧に、昔ながらの手作業で炒っています。
「ごまとしゃべりながら言うんかな。ごまが『甘いで~』と言ったところであげて冷ます。つまりは職人の感覚。この模倣困難性がうちの強みなんやろね(笑)」

「へんこ」は
おいしさを守るための矜持

山田さんは大学卒業後、水産会社に入社し、輸入の冷凍えびを扱っていました。その現場で、食品の質も安全性も価格も、すべて流通の都合で決められていることに疑問を感じ、水産会社を辞めて家業のごま屋を継ぎました。
「絶対にあの流通の仕組みに入るもんかと。ごまづくりも価格も納期も自分で決める。へんこで行こうと腹を決めたんです」

祖母や父の味に満足せず、試行錯誤を重ねて創り上げた焙煎技術。
そしてひと釜ごとに最適な炒りを究め、香り高いごまを提供するというビジネスモデルは、つまり大量生産との真っ向勝負でした。だから“へんこ”(頑固)。それが山田製油のクオリティを守ってきたのです。

ごまの栽培にも取り組んでいます。

山田製油では、ごま料理専門のイタリアンレストラン『ピッコロモンド・ヤマダ』と、素材にこだわった料理を提供する『gomacro Salon』を運営しています。さまざまな食の提案を通じて、ごまの魅力を伝え続ける山田さんです。

ごま料理専門のイタリアンレストラン「ピッコロモンド・ヤマダ」水野シェフ(左)と山田社長
ピッコロモンド・ヤマダのシェフ水野康史さんがつくるパスタは、甘く煮たどんこにツナを合わせ、白ごまクリームであえたパスタ。濃厚なクリームソースは絶品!
ごまスイーツを楽しめる「gomacro Salon」

おいしさのヒミツ

山田製油のこだわり

  • ごまは農産物。炒るごまの個性を見極め、その日の気温や湿度によって炒り具合を変えていく。ごまを炒りながら、「甘いで~」と言うごまの声に耳を澄ます山田さん。

  • いちばんいい香りのところで炒り上げたごまに余計な熱が伝わらないよう、スピーディに冷ます。

  • 炒ったごまをすりつぶすのは、ごまに余計な熱を加えずにすれる石臼。2段方式で自慢の滑らかなすりごまに。

  • 白ごまと金ごま、むきごまを最高の比率でブレンドしたねりごまが、トロトロとゆっくり滴り落ちる。1時間に400g(たった2パック分)しかできないそう。

  • 1ヶ月かけて搾る黄金色のごま油。そのまろやかな香りは格別。

  • 一番搾りのごま油は、今でも古いかまどに薪をたき、ゆっくりじっくり香りを引き出す。

つくり手こだわりの商品

※時期の関係でお取り扱いがない、もしくは販売終了している場合がございます。予めご了承ください。

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