「御用蔵」精神で有機農家とともにヤマキ醸造株式会社 木谷善光さん(右)
生産者 須賀利治さん(左)

2017.8.28

深い味わいの福神漬や、まろやかな酸味のしば漬けなど、素材の味を堪能できるヤマキ醸造の漬物。
「守る自然・残す自然」をモットーに、名水といわれる天然水と、丹精こめて作られた野菜を使い、「安心・安全・健康」へのこだわりを貫いています。

埼玉県児玉郡神川町 ヤマキ醸造株式会社
  • 有機栽培のきゅうりとなす、天然醸造醤油などを使って福神漬に
  • 大地から栄養を吸い上げ、すくすくと育つ大豆
  • 「お客様の声を聞く」ことを想起させる「御用蔵」の石碑

農家から原料を預かり
味噌などに加工する「御用蔵」

関東平野の西端、埼玉県の北西部に位置する神川町。豊かな自然に恵まれたこの地に、福神漬やしば漬けでおなじみのヤマキ醸造があります。名水「神泉水」に惚れ込み、1991年に本庄市からわざわざ移転。おいしさだけでなく「安心・安全・健康」にもこだわり、漬物や天然醸造の醤油・味噌などを製造しています。
このこだわりの源となるのが「御用蔵」精神。本庄時代には近隣の農家から大豆や小麦を預かり、味噌や醤油に受託加工することが多く、「お客様の御用に応える“御用蔵”」として機能してきました。本社敷地内には、「御用蔵」と刻まれた石碑があります。
「父の時代になりますが、高度経済成長期は、安く大量生産する技術が進歩し、品質は二の次にされました。そんなとき、ある消費者団体から人工的な添加物などに頼らず、本物の良質な商品が作れないかという相談があり、原料や製法にこだわった商品づくりに特化していきました。それが実現できたのは、この地域に有機農業を行っている人たちがいたからです」(ヤマキ醸造の代表取締役・木谷善光さん)

水と緑が豊かな神川町。写真は神流川のダム湖「神水湖」。

日・米・EUのトリプル
有機認定工場から世界へ

その中心は、30年前からヤマキ醸造に有機農産物を提供している農家の須賀一男・利治さん親子。父の一男さんは自身が病気になったことから、農薬や化学肥料全盛期の60年前に植物堆肥のみを使う自然農法を実践。周囲から奇異な目で見られながらも、ブレずに我が道を歩み、今では有機農業会のカリスマ的存在。利治さんも大学で農業を専攻し自然農法を研究。96年に設立された農業生産法人「豆太郎」の代表を務めます。須賀さんの畑では、大豆と小麦に加え、季節の野菜30~40種が植えられています。
「大切なのは土づくりです。バランスのいい健康的な土なら、あとは作物が根をしっかりと張り巡らせて土中の養分を吸い上げて育ちます。また、過去の記録を利用して、適切な時期に種を蒔き除草することで虫が出ないようにしています」(須賀利治さん)
慣行栽培より手間もかかり難しい有機農法。形の悪い野菜もむだなく使える漬物は、農家の安定のためにも大切な商品だと木谷さんは言います。
近年は、和食ブームもあり輸出も増えてきたそうです。日本だけでなくアメリカとEUの有機認定を受け、“トリプル有機認定工場”から世界への発信も行っていくという木谷さん。
「私自身も食べ物が体をつくることを実感しています。これからも、食べる人の健康を考えた商品を広く、そして長く提供していきたいですね」

おいしさのヒミツ

ヤマキ醸造のこだわり

  • 清らかな神泉水を使用
    商品づくりには、いい水がかかせないとこだわり続け、出会ったのが秩父山系の古生層の花崗岩を長い時間をかけて浸透し、湧き出る名水「神泉水」。
  • 原料は有機・特別栽培
    味噌や醤油に必要な大豆と小麦、漬物に使う野菜など、ヤマキ醸造の原料はすべて有機・特別栽培。写真は自然農法の先駆者、須賀一男さん。
  • 昔ながらの天然醸造
    漬物にも使用している醤油は、代々受け継がれてきた杉桶で、時間をかけ、自然の力を使うという昔ながらの醸造法で造り続けている。

つくり手こだわりの商品

※時期の関係でお取り扱いがない、もしくは販売終了している場合がございます。予めご了承ください。

ヤマキ醸造株式会社

ヤマキ醸造株式会社

味噌・醤油、漬物などの製造を行っているヤマキ醸造。伝統的な製法が見られる味噌・醤油蔵見学や、実際に自分で体験できる味噌造り、醤油搾りなど、年間を通してさまざまなイベントを行っています。

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