父の背中に学んだ南魚沼の風土の恵有限会社まきば 桒原家達さん ・ 一成さん

2017.7.17

八海山の美しい稜線を望む、南魚沼の田園地帯。
おいしいと評判の「あたためるだけ」コロッケシリーズは、この恵まれた自然の中で作られています。
有機農業の先駆者の父と、魚沼産にこだわった商品づくりに挑む息子。
親子二代のリレーが生んだコロッケの誕生秘話に迫ります。

新潟県 南魚沼市 有限会社 まきば
  • 地元魚沼の三元豚も扱う。
  • 有限会社大地の樋口さんと雪むろの雪の前で。
  • 板で雪を囲い、手前で野菜を貯蔵。
  • 庫内は2~4℃、湿度70~90%に保たれ、野菜のでんぷんの糖化が進み、甘みや旨みが増す。

有機農業と養豚の
循環型農業を志した父

サクサクの衣の下にひそむのは、とろ〜りクリーミーなマッシュポテト。予想外の食感のあとを、じゃがいもの甘みが追いかけます。なぜ、お肉屋さんのコロッケっておいしいんだろう?そんな思いが頭をよぎります。
作り手は、南魚沼で豚肉の加工品を製造する有限会社まきば。前身は養豚も行う農家でした。社長の桒原家達さんは、1970年代に公害による環境汚染が社会問題となったのを機に、仲間たちと循環型の有機農業に取り組み始めました。
「豚への抗生物質投与を最小限に抑えて、畑一面に育てたクローバーを食べさせたりしてね。周りからは変わり者と思われていました。試行錯誤の連続で、経済的にも苦労しました」
やがて、“アトピーの子に食べさせても大丈夫な豚肉”と評判に。肉の取引量が増え、必要に迫られて精肉工場を開設。養豚と精肉の並行作業が難しくなってきたころ、同じ魚沼の養豚家・清塚利夫さんと出会います。
「志が高く、さらに質の高い豚を育てていました。ならば自分は精肉に専念して、清塚さんの肉を売ろうと」
まきばはこうして誕生しました。

父に反発しながらも
同じ道を選んだ長男

家達さんの長男・一成さんは、父の悪戦苦闘を見ながら育ちました。その意義は理解できても、家計の窮状は幼心にも伝わり、父のやり方に反発を感じていました。しかし大学卒業後、大阪に本社を構える商社に3年間勤務した後、故郷に戻る道を選ぶのです。
「今の時代、安心・安全というだけではダメで、他と差別化できないと先細りは目に見えてました。だから戻ったのですが、何をしたらいいのか分からず、何年も試行錯誤と失敗の連続で。正直、焦りました」(一成さん)
転機は大阪の流通大手の社長からの一言でした。「商品を売るだけじゃつまらない。魚沼を売りなさい」
「それを聞いて、ようやく故郷の価値を理解したというか、父のやり方には理由があったんだと気付いたんです」
そしてついに出会ったのが、雪むろに眠るじゃがいもだったのです。
「芋の煮っころがしを食べたとき、これだ!と思ったんです。里いものようなとろんとした食感と甘さが衝撃的で、自然を生かす南魚沼の昔からの知恵こそが、安全の先の差別化を生むものなんだって」
気がつけば、南魚沼にはおいしいものがたくさんありました。これらを一つひとつ掘り起こし、大手ができないものを丁寧に。それが一成さんの考える『まきば』の商品づくりです。

おいしさのヒミツ

まきばのこだわり

まきばのおいしさの源は、
魚沼の食材×手仕事。
化学調味料や添加物は使わず、
要所要所は人の手で丁寧に作っています。
  • じゃがいもは1個ずつ検品
    雪むろから出したじゃがいもは、一つひとつ検品する。内部に変色がないかも確かめ、傷んだ部分は丁寧にカットしていく。
  • パン粉づけは手作業で
    らでぃっしゅぼーや基準のパン粉は、サクサクの食感と小麦粉の香ばしさが魅力だが、衣につきにくいのが難点。手仕事で丁寧にまぶしていく。
  • 菜種油でカラリと揚げる
    揚げ油には、オレイン酸やリノール酸が含まれている菜種油(遺伝子組み換えでない)を使用。揚げ油は酸化度を測って管理している。

つくり手こだわりの商品

※時期の関係でお取り扱いがない、もしくは販売終了している場合がございます。予めご了承ください。

有限会社 まきば

有限会社 まきば

有機・減農薬農法や抗生物質不投与の養豚に挑んだ創業者の経営理念は、「母が子に与える食べ物に『にせもの』、『まぜもの』があってはならない」。この志を一つにした地元魚沼の生産者と共に、差別化商品の製造・販売を行っています。

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